改正貸金業法が18日に完全施行される
改正貸金業法が18日に完全施行される。多くの自殺者を出した多重債務問題の解決が期待される一方、新規貸し出しの総量規制によって一部の債務者は借り入れができなくなる恐れがあり、混乱の可能性もある。対応が遅れている中小貸金業者も大きな影響を受けそうだ。消費者がヤミ金融に流れるのを防ぐため、行政や関係機関は相談体制の拡充など対策を強化している。
■新規借り入れに壁 行政、相談体制を拡充
財務省によると、貸金業者による無担保無保証の消費者向け貸し付けの利用者は全国で約1200万人で、うち5社以上から借り入れがある多重債務者は約180万人程度という。「単純計算で、貸金利用者の20人に1人が総量規制の影響を受ける可能性がある」(京都財務事務所)。
総量規制は「貸し過ぎ」と「借り過ぎ」を防ぐ重要な役割を担うが、新規借り入れができなくなった債務者は行き場を失う。主婦は配偶者の年収証明や同意が必要になるため「ほとんど貸せない」(貸金業者)とされる。
法改正に向け、大手貸金業者は数年前から対応を進めてきた。アイフルは2007年8月から上限金利を18%とし、債務状況や年収の審査も厳しくしてきた。このため2010年3月期の新規成約率は前期比7・1ポイント低下の21・9%になった。新規借り入れを申し込んだ5人のうち4人は借りられない状況だ。
多重債務に苦しむ京都府京丹波町の主婦(56)は新たな借入先が見つからず、近く自己破産申請することを決めた。夫の収入減で生活費や住宅ローンの支払いに困って5年前から貸金業者を頼り、5社から重ねた借金は200万円を超えた。司法書士の助言で、債務の整理を始めた。
日本貸金業協会(東京都)の集計によると、全国の登録貸金業者は昨年末で4477社(京都府122社、滋賀県32社)となり、過去10年で7分の1に減った。中小業者の大半は総量規制や上限金利の引き下げに対応しておらず、法施行後はさらに廃業が増えそうだ。
今年から総量規制の対応を始めた京都市内の貸金業者は「説明しても『なんで貸してくれへんの』と聞かれる。施行後は大変なことになるのではないか。個人向けの貸金業は(事業として)もう無理」と話す。
多重債務者の相談・支援に取り組む市民団体「京都クレジット・サラ金被害者『平安の会』」は「施行後1、2年は混乱する可能性があり、違法なヤミ金融に流れる債務者が増える恐れもある」と懸念する。影響を最小限に食い止めようと、完全施行に合わせて48時間連続の無料相談会を開く。
借入残高が大きい債務者は、収入に応じて返済計画を見直すか、整理、破産などで生活の再建を図ることになる。国は月返済額が前月を下回る借り換えの推進や社会福祉協議会を通じた生活福祉資金貸付制度の拡充、ヤミ金融対策の強化などの対策もまとめている。
全国の自治体や弁護士会、司法書士会などが相談体制を強化中で、京都財務事務所は「過去に利息を過払いしている場合もある。一人で悩まず、まず専門家に相談してほしい」と呼び掛けている。
■改正貸金業法 借り手が安心して利用できる貸金市場を整備するため2006年12月に成立した。借入残高が年収の3分の1を超える債務者への新規貸し出しを禁じる総量規制が柱。出資法の上限金利(29・2%)を利息制限法の上限金利(15~20%)に引き下げ、「グレーゾーン金利」を解消する。銀行や信用金庫などは法律の対象外で、住宅ローンや自動車ローンなどは適用除外になる。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100615000033&genre=B1&area=K00
(2010年6月15日 京都新聞より)
20人に1人が総量規制の影響を受けるだろうと言われています。返済が出来なくなってしまう前にまずはご相談下さい。